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2012年02月 アーカイブ

2012年02月02日

武智歌舞伎を知る手がかり ― 岡本章・四方田犬彦 編『武智鉄二 伝統と前衛』

 歌舞伎好きであれば「武智歌舞伎」について多かれ少なかれ、どんなものだったのだろうか、と気になるものではないでしょうか? 目にするわりには実態が分らない上に「武智歌舞伎」と関連づけて語られる中村富十郎、中村雀右衛門、坂田藤十郎が「武智歌舞伎」について語っている活字を個人的にはほとんど見かけたことがなかったため、岡本章・四方田犬彦 編『武智鉄二 伝統と前衛』は、ようやくたどり着いた「武智歌舞伎」の残り香とも呼べる貴重な読み物です。

残念ながら、今回も「武智歌舞伎」の舞台の写真などはひとつも掲載されていませんが、富十郎や藤十郎による貴重な証言が収めれているのはうれしいことです。特に富十郎の証言は亡くなる半年前のことだそうです。

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2012年02月05日

片岡秀太郎・著『上方のをんな』

女形が好きで、女形らしい女形の一人者といえば片岡秀太郎と思っておりますので片岡秀太郎・著/坂東亜矢子・構成『上方のをんな 女形の歌舞伎譚しばいばなしを読みました。

秀太郎さんの正直な言葉の数々に驚きながらも、改めて「芸」は人柄でもあるのだと感じました。

同時に、秀太郎さんのご自身のことまでも客観的な視点から見ることができる能力には、ひたすら感嘆するばかりでした。歌舞伎俳優じゃなかったら演出家として成功していたに違いない、と思ってしまいましたが、以前テレビで拝見した松竹上方歌舞伎塾の講師ぶりからすると、次世代の若い歌舞伎俳優の「演出」は既に得意とされる分野であることは間違いないようです。

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2012年02月07日

『三島由紀夫と歌舞伎/三島由紀夫研究 (9)』鼎書房・刊

鼎書房から刊行されている松本徹・ 佐藤秀明・ 井上隆史の三氏が「責任編集」者となっているシリーズの『三島由紀夫と歌舞伎/三島由紀夫研究 (9)』を読みました。

冒頭の国立劇場・織田紘二氏と責任編集者らとの「座談会」が非常におもしろくて、時間が経つのを忘れたくらいです。織田さんといえば、三島由紀夫が書いて国立劇場で初演された『椿説弓張月』には執筆段階から関わっていたためNHKの番組も含め、三島との歌舞伎制作秘話などは得意(?)とするところですが、この本の対談は本物の演劇関係者の秘話です。この研究書でさえ、ところどころ、あえて活字にしなかった発言があろうことがぷんぷん匂いってきますが、織田さんの立場が変化したこともあるのでしょう。演劇関係者ならではのドロドロした秘話が展開されています。

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2012年02月08日

三谷幸喜は文楽を救えるか

三谷幸喜が文楽の新作を書くことで、橋下徹・大阪市長が打ち出した芸術分野への助成金カットから「文楽」を救う、というニュースがありました。『其礼成心中』というタイトルで8月に初演されるそうです。

かつて、井上ひさしがモリエールの『守銭奴』をベースに書いた『金壺親父恋達引』という文楽作品があり、NHKで放送された時のビデオは実家のベータマックス・ライブラリーの隅にまだあるはずですが、文楽の新作と聞くと、文楽座の本気度が気になってしまいます。『曾根崎心中』のような復活物で成功しているものもあるとはいえ、上演を重ねて磨きを入れるのが古典芸能。一度や二度の上演で途絶えるような新作は、意味があるのだろうか、と思えてきます。もちろん、そうなるとは限りませんが。

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2012年02月23日

中村雀右衛門、本日午後永眠

以前より入院されていた東京・中央区の某総合病院にて中村雀右衛門さんが亡くなられました。

本当に悲しいです。

波乱の人生で、気遣いも相当だったでしょうから、そういったしがらみのない世界へ行かれるよう祈りたいと思います。

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