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2009年02月 アーカイブ

2009年02月17日

吉田玉男・宮辻政夫(聞き手)著「人形有情—吉田玉男文楽芸談聞き書き」

 オフィシャルな“芸談”本を生前には出さなかった文楽人形遣い吉田玉男の芸や考えが垣間見える貴重な本が出ました。「人形有情―吉田玉男文楽芸談聞き書き」は宮辻政夫氏が玉男さんと楽屋で交わした会話を14年間に渡って記録し、最晩年には原稿にして玉男さんにも見せていたそうですが、派手なことが嫌いな玉男さんは「出さんでええ」と断り、死後に遺族の了解を得て昨年末に出版となった本です。

 内容としては文楽の演目を玉男さんが手がけられた役を通じて芸談を引き出しながらも、入門の経緯や諸先輩は同期の人形遣いなど、バランスよくまとめられています。NHKアナウンサーによるインタビューとは異なり、この役の性根は?苦労される点は?とゲージュツ的なようでいて、実際にはあまり自由に語ることを許していないようなことはしていません。玉男さんが自由に会話を通じていろいろなことを自然な一人称で語っている姿が目に浮かぶようです。あれだけ共演していて、相手役も勤めている吉田蓑助さんとのエピソードなど、現在のような形になってからの文楽/文楽座のファンには、あれ?っと思うような欠落もありますが、他人を褒めちぎることで実は自分も褒められたい、と考えるような人でも、褒められたいと思って人形を遣っていた人でもなかったのであろう人柄のためなのだろう、と想像します。

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2009年02月22日

第357回 花形演芸会 2009年2月22日(日) 国立演芸場

 ナイツと菊之丞をお目当てに出かけました。

 まずは、ナイツの漫才。普段、「笑点」や「エンタの神様」などでショートバージョンしか見られないので、寄席のロングバージョンは好きです。昨年末だったか、チバテレビ「浅草お茶の間寄席」でロングバージョンが放送されていましたが、高齢者ばかりの浅草演芸ホールは入りも笑いも薄くて、ナイツはこんな風に寄席で鍛えられているんだ、と思いましたが、今日の国立演芸場は最初から爆笑の渦。でも、中年までは笑っていても高齢者には通じてないようでした。

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2009年02月24日

ぼやきます(小姑風 or ミス・ミナコ・ サイトウ風)

 歌舞伎や文楽を観るために着物をお召しになることに、反対はしません。でも、桐の箪笥などできちんと保管していない着物を出してそのまま着ると、折りジワが見苦しいのです。襟の後ろの下など、着ている本人からは見えなくても後の席から丸見えです。箪笥をお持ちでないなら、せめて前日に収納ボックスからでもお出しになり、ファブリーズ臭いアパートの一室でもかまいませんから、衣紋掛けにでも通しておきましょう。モスボール臭いコートをお召しになる方もいらっしゃいますが、樟脳を知らないなら、モスボール臭いコートも、お召しになる前日に、陰干しするのがマナーです。

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2009年02月26日

中川右介・著「十一代目團十郎と六代目歌右衛門」

 カメラやカラヤンの本などでしられる著者が、文献を重ねながら六世中村歌右衛門の“権力抗争”を縦糸に、家系的には江戸歌舞伎そのものの“宗家”で本来はトップでなくてはならなかったのにトップにはなれなかった十一世市川團十郎を横糸に折り込んだ力作です。『十一代目團十郎と六代目歌右衛門 ―悲劇の「神」と孤高の「女帝」』 (幻冬舎新書)は新書本の体裁はとっていますが、353頁の厚みには、並の単行本以上の中身とおもしろさが詰まっています。

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