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『男はつらいよ』シリーズDVDの英語字幕

気になったのでひと言。

すべての作品を英語字幕表示では観ておりませんが、現在30数作を見終わりました。誰の英訳なのかクレジットが表示されないのですが、なにかと日本語の「嫌い」を "hate" と訳しているのがすごく気になります。

すごくこなれた訳文も散見され、英語としては悪くない字幕なのですが、いくら文字数制限があるとはいえ、hate は強すぎる気がしてなりません。なにせ hate crime の hate ですし、英英辞書を見ればその意味の強烈さが理解できるはずです。

親が子どもを叱る際、おじさんに怒られるから止めなさい、などではなく、〜ちゃんのことママ大好きだけど今やったことママはよくないと思う、といった言い換え表現でしつけるべき、といった論調が一般化しつつある世の中ですから、同様に寅さんの妹さくらが「お兄ちゃんなんか嫌いよ」という台詞があったとしても(時代が昭和とはいえ)、主語の置き換えで工夫するとか、可能であれば don't like のような言い換えのほうが日本語のニュアンスに近くなることも多いような気がします。

下町のだんご屋「とらや」ならではの人間関係というのもあります。思ったことは腹にためないで全部吐き出して後腐れがないように言うのが江戸っ子で喧嘩しても仲直りもするというローカルカルチャーというかローカルルールを鑑みれば、hate を「誤訳」とは呼びがたい側面もありますが、少なくとも、穏やかな意見交換の場で通訳をする際に、控え目な意見の枕詞として「好きか嫌いかと言われれば…」のような発言での「嫌い」を hate なんて訳したら、英語ネイティブはドキっとするかもしれないことを念頭に置いておいて損はないと思います。

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2012年11月22日 21:28に投稿されたエントリーのページです。

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