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アメリカ中西部なまり

 コロラド州の映画館で乱射事件がありましたが、ニュースを見ていると懐かしい中西部なまりでレポートする記者がいました。

 劇場を意味する theater(シアター)ですが、アメリカ中西部などへ行くと the-AYTER (シエイターthe-as in "theology" and -ayter sounding like "(I) ate her (whatever).")という発音を耳にします。

 日本の英語教育では標準的な発音として教えられることはないと思いますが、ミュージカル『オクラホマ!』のナンバー♪ Kansas City ♪では "theayter" がお国訛りのようなつかわれ方をしています。

 ミシガン州など Upper Midwest 出身者の場合、母音が他地域のアメリカ人よりも鼻にかかり気味になる上に、日本語でいうチャ・チュ・チョが、シャ・シュ・ショ気味に発音されますので、すぐに分ります。ミシガン州出身のマドンナがエヴァ・ペロンを演じた『エヴィータ』でも彼女は Upper Midwest なまりそのままの母音で歌ってました。

 以前、アメリカの地方都市に住んでいた時のことですが、ローカルニュースの記者が Iran を「アイラン」と発音していました。個人的には「イラン」「イラク」で統一してくれ!と思って調べたら、どっちか忘れましたが、とあるアメリカの辞書によると、一方は「イ」でも「アイ」でも正しいが、もう一方は「イ」だけが正しいとあって不思議に思った記憶があります。

 クリントンからジョージ・W・ブッシュまで、南部訛りの大統領が続きました。地域性が明確な英語で話す政治家のほうがアメリカではアピール性が高いのかもしれません。日本でも「ジャパネットたかた」が成功した要因に、高田社長らの長崎平戸なまりがあると言われています。(詳しくはこちらをどうぞ。助詞の詰め方・省略法など、同時通訳者にも参考になる考察アリ。)

 いろいろな音を聴き分けられても、そういった個性などは「訳」として出せないのが(同時)通訳者。

 日本語で「おー、そっちのガイジンさん達、元気でやっぺっかぁ。」と発言されたからといって、"How y'all foreign gents ov'r dare doin' today?" なんて訳せないのが通訳者。

 したっていいじゃないか? いいんですが、北海道の「なまら」などボキャブラリー単位の方言や、長野県のように独特のイントネーションや発音(軽井沢は地元では「かるいわ」)が「方言」みたいなものでしかない地方もあれば、どっから聴いても外国語だべや、という方言の区別、はたまた方言が複数出てきたときの対応なんて無理ですから…。同じ福岡県でも博多と大牟田では方言が違うそうですが、それぞれ対応するような訛りで同時通訳できる方がいたら、日本語 to 日本語でも尊敬します。

 それは、落語に双子や三つ子が登場しないのと同じです。噺家が演じ分けられないものを、通訳が聞き手を理解させるように演じ分けられるワケがありません。演じ分けに自信がある方は、是非、浄瑠璃の大夫さんを目指してください。子どもから老人、はたまたキツネまで、1人で何役も勤められます。

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2012年07月22日 11:41に投稿されたエントリーのページです。

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