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"SEX" in The Morning

 男ですが…、と言うべきか、男だからなんですが…、と言うべきか、それとも単にそういう性格なので、と言うべきなのか分からないのですが、通訳の場でセックスの話(セクハラ発言からエロ・トークまで)は出ないで欲しい、というのが、ささやかな願いです。もちろん、仕事としての通訳の現場で、という意味ですが。

 英語では妊娠期間は9ヶ月なのに、どうして日本語では妊娠10ヶ月間であるのか、といった話であれば平然と説明できますし、日本では男性が悩むこともある●茎だって、どうして西洋ではそういう話が存在しないかだって訊かれれば説明できます。

 しかし、会食中であれ会議中であれ、アケビとマツタケが出て来る秋の風景の話であるとか、ノーパンしゃぶしゃぶ店やソープランドにおける接待の話や、モニカ・ルインスキーがクリントン大統領(当時)に何をしたのかといった話を女性がいる場でされると、話者の発言をそのまま訳す、という通訳回路がショートします。

 前置きが長くなりましたが、ビデオ・ポッドキャストでアメリカの朝のニュース番組を複数、視聴しているのですが、一連のタイガー・ウッズ報道などもあって、気が付いたらアメリカのニュース・キャスターって、早朝から「SEX」を連呼。そういう名前で選挙に出たら当選確実じゃないのか、と思うくらい連呼してくれます。アメリカでは早朝から全米で放送されているごくフツーの朝の情報番組ばかりなのですが、「関係」などという言い換えはせずに「SEX」「SEX」「SEX」。『Morning Joe』という番組では、朝から女性用「こ●し」の話題で盛り上がったこともありました。大人の女性なら、誰でも1本や2本もってて当然じゃない?みたいな。

 アメリカって「自由」の国ってイメージがありますが、奥さんや子供を大事にしないで浮気をすると、日本やフランスほど寛容に許してくれないという点では、日本、引いてはアジア諸国よりも、かなり保守的だと思いますし、夫婦別姓なんかはカリフォルニア州ではごくごく普通のことになっていた時代でも中西部や南部では、とんでもない、って感じでしたから、「自由」であっても必ずしも「進歩的」や「革新的」とは呼べない国だと思ってます。

 しかし、朝からニュース番組で「SEX」「SEX」「SEX」はOKって、(しかも「こ●し」まで)時代の流れについていけない自分が悪いのでしょうか。それともやっぱり英語ができても所詮、日本人だからでしょうか。女性キャスターが「SEX」「SEX」「SEX」と連呼するのは、できれば勘弁して欲しいと思うのは、裏返せば男尊女卑の文化を背負ってるだけなのでしょうか?

 それとも『笑点』で三遊亭小遊三が「便所でお尻を拭く(副)会長」や向かい風での立ちション発言をするとクレームする日本人とアメリカ人視聴者では質が違うのでしょうか。文化でしょうか。

 日本人女性が日本のテレビ番組で性交を意味する「エッチ」と発言しても、ドキっともしないし、年頃の姪と一緒にそんな番組を見たとしても平気だと思うのですが、なぜか独りで見るポッドキャストでアメリカ人女性ニュース・キャスターに「SEX」を連呼されると、止めて欲しい、と思うのです。(そういう話題をニュースとして聞きたくない、というのもあるでしょうが。)

 古典芸能が好きですから、積極的な女性キャラは見慣れていますし、社会に進出しまくっていた大正生まれの祖母がいたくらいですから、女性というジェンダーに何か期待や規範意識を持っている、というのではありません。女性がセックスの話をしてはいけない、なんて思ってもいません。普通に家族の会話で、男が女のおっぱい見ているように、女は男のもっこりをしっかり見てることもストレートに開示されていた環境で育ってました。おならだって、男女の隔てなく臭いことも分かってます。そういう意味での歪んだ期待やイメージを女性に対して持っていません。(持ってなさすぎ、という声もありますが。)

 しかし、アメリカのビデオ・ポッドキャストのおかげで、自分は進歩的でリベラルだと思っていた自己評価がかなり揺らいでいます。プライベートではそんなことないのですが、仕事や公共性がからむと、ダメなようです。

 社内通訳1年生だった頃、セクハラ役員が外国人女性を接待した席でマツタケ(=立派な男根)発言をされて、ドギマギして訳さなかかったことがあり、それを女性先輩通訳者に「困りました」と報告したら、あっけらかんと「訳したらよかったのに。自分の発言じゃないんだから」とアドバイスをいただいたこともあります。

 別な会食(数年後)では、日本人管理職が外国人管理職に特殊なお店のお色気サービスの詳細を説明。その際、自分ではなくパートナーの女性通訳者が通訳していたのですが、よくそんな話をフツーに通訳できるなぁ、とうつむいてました。

 通訳者なんだから、どんな話でも言われた通りにきちんと訳すべきなのはわかりますが、建設の話で英訳上 erection が最適とわかっていても、同通ブース内の唯1人のパートナー通訳者が女性だったりすると、頭の中は結構ドギマギ状態で installation と訳してみたり。

 これって実は自分がスケベなだけか? と思わないでもないのですが、営業の会議で penetration や exposure といった用語が出てきも、なぜか平気です。

 実際にはセクハラ発言やエッチ・トークの通訳なんて、いま振り返ると、ほとんど無いに等しいのですが、通訳者として職業上の「思春期」まっただ中にいた時には、キツいもの。

 ということは、その時のトラウマのせいなのでしょうか。一部回路がショートしたまま経験年数を重ねたためなのでしょう。パソコンの前でビデオ・ポッドキャストを見ていて「SEX」にまだまだ反応してしまっています。通訳回路の改修作業が必要なようです。(下取りのきかない年齢ですから、買い替えも難しいですし…。)

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2010年02月15日 05:05に投稿されたエントリーのページです。

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