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松崎久純・著『究極の速読法』

 通訳者むけに書かれた本ではありませんが、松崎久純・著『究極の速読法 リーディングハニー6つのステップ』
は、会議前に大量の資料を渡されてもあわてないための“読み方”が書かれています。

 スピード的に早く読むことだけが「速読」ではありませんが、この本には効率的に文章(資料)を読むための方法から、具体的にテキストと向かい合った際、どのようにすれば短時間で内容(流れ)を把握しながら「速読」ができるのか、ということが示されています。個人的には指をつかう「ペーサー」と「ブロック」法を応用するだけで、早く効率的に読めるようになりました。

 通訳業務を行なうためには、サイトラ用にスラッシュを入れたり、単語や表現を拾ったりと「速読」だけでは終わらないこともする必要があるとは思いますが、資料を読む一次的な目的がその会議の背景を知るためだとしたら、資料を頭からだけ読み(スラッシュを入れたり単語を調べたり)最後までたどり着けないうちに会議が始まったのでは、目的を達成したことにならないケースもあると思います。確かに通訳をしていて言葉(訳語)が出て来ないことほどつらいことはありませんが、全体的なことを把握しないで会議に臨んでしまい、トンチンカンな聞き違いやニュアンス(肯定 vs 否定)がつかめなくなるのも同様につらいことだと思います。そして、なにより会議主催者に申し訳ないことです。

 フリーランスでも社員でも、限られた時間で大量の資料を渡されると、明言するしないはともかく「こんな大量の資料を会議が始めるまで読めるワケがない」とあきらめたり、場合によっては拒否すること(したくなること)もあると思いますが、この本を読むと、そんなことで簡単にあきらめたり、泣き言を吐いたり、激怒したり、マジで読めない人たちを余裕で「かわいそう」と思えるようになること間違いないでしょう。特に、著者のMBA留学時代のエピソードを読めば、なんだ、そんなことか、とも思えるようになるでしょう。

「速読」だけで質の高い、通訳業務にも応用可能な読み方ができるとは思いませんが、時間に余裕がある場合でも、この本に書かれていることを実行してから資料読みをするのとしないのとでは理解の深さに雲泥の差が出ることでしょう。そして人によっては、気持ちの余裕に差ができて、それが落ち着いた「声」に反映されて、パフォーマンスの印象が改善することさえあるのでは、と思える内容です。

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2009年10月20日 05:55に投稿されたエントリーのページです。

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