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2008年12月 アーカイブ

2008年12月06日

落語「金明竹」のような通訳

 某演芸場で「金明竹」を聴いて思い出したこと。

 以前、勤めていた会社で同僚通訳者と組んだ臨んだ会議でした。逐次通訳だったのですが、彼女がアメリカ人の比喩表現を直訳して意味不明になりそうだったので、割って入ったことがあります。懸案の話が進展したら、皆さんにお知らせしますよ、という意味で、We'll knock on your door. みたいなことを言ったのに、訳が「皆さんのドアをノックします。」だったので、こっちが慌ててしまい、答えがわかっていて、先程の表現は figurative language ですよね?と確認したことがあります。

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2008年12月19日

清水義範・著「愛と日本語の惑乱」

 小説としておもしろいだけでなく、通訳者として避けて通れない「用語」の話がたくさん入ってます。主人公は「SNKの放送用語委員」という設定ですが、出版社の社員と会話する不適切(な/かもしれない)用語に関わる話は通訳者として読んでおくべきかもしれません。中国の地名をどう表記するか、といった話題も個人的には耳が痛い話でした。フィクションなんですが。

 比較的さいきんのことですが、「大乗仏教」「小乗仏教」といった用語も学会では不適切、という話を聞いて驚いたことがある者として、プロ通訳者であれば数十年前の学校教育のままタイプカプセル状態の「常識的用法」を虫干ししてみるいい機会かな、と思いました。あくまで自分のために。タイムカプセル的大御所の用法を指摘してみても無駄な努力に終わること間違いありませんから。

2008年12月26日

噺家と通訳者は共通点だらけ!? 春風亭小朝・著「苦悩する落語」

 通訳者は黒子、などと、歌舞伎どころか、古典芸能なんて観たこともない、興味もないような通訳関係者、あるいは、通訳者ご本人(まあ、中にはご本尊とでも呼びたくなるようなベテランもいらっしゃいますが)がおっしゃるようで、私のような歌舞伎好きは、ついつい、なんで黒子なんだろう?ブースの中にいてもヘアメークから顔のメークから衣装まで、ピンスポットかブルーライトでもあててもらってるのかな?あれ?上沼恵美子じゃないの?ってくらいのプロ通訳者のかたもいらっしゃるようでして、それなら、黒子じゃなくて、顔も頭も(化粧も鬘も)つけてる後見じゃないんですか?って言いたくなることもありますが、用語には、それはそれは厳しくていらっしゃるプロ通訳者の方々ですから、歌舞伎なんか観たことなくても、調べ上げられた結果でしょうから、反論はいたしません。

 小朝師匠が書かれた「苦悩する落語」、その続編でもある「いま、胎動する落語」、そして、女性のための恋愛黙示録とでも呼びたくなる「あなたがさよならを言われた33の理由」の2冊は2日がかりで読んでしまいました。衝撃だったのは、特に「苦悩する落語」に書かれている噺家(落語家)の世界といい生態が、本当にプロ通訳者のそれらとかなり重なることでした。

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