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セクハラは、なくなって欲しい

 社内通訳・翻訳をしていると、場合によっては微妙でプライベートな問題と関わることがあります。その代表格がセクハラ。被害者の申し出や相談内容を翻訳していると、面識の無い女性の話であっても、すごーく気持ちがブルーになります。大げさな言い方をするのであれば、セクハラがあると、当人(被害者/加害者)だけではなく、それを扱う人事、役員、通訳・翻訳の人間も関わることがあり、間接的に不快感や場合によっては絶望感さえ波紋のように広がるのです。

 私が関わるような案件は当事者に日本語を母語として話さない人間が関与している場合に限られたり、判断を下す管理職/上級役員が外国人に限られたりしますが、それでも、うんざりします。通訳者としてのキャリアで一度だけ関わっても one too many なのに、複数回そういうい話に間接的にでも関わるのは本当にイヤになります。

 女性に対して愛情や行為を持つこと自体は罪ではないにせよ、職場で管理職以上の男が非管理職などの女性に不適切にアプローチすることさえセクハラなのだということをどうして理解してくれないのだろうか、と思う。

 セクハラで左遷されたり自主退職させられた役員の案件に間接的に関わったことがありますが、何度かかわってもいい気分はしないものです。通訳の時はどうしようもありませんが、翻訳の時はiPodで音楽を聞きながら気を紛らわせないとやってられません。文書が文書だけに外に持ち出して翻訳することなんかできませんから。

 通訳者や翻訳者として関わっても、なかなか忘れられないのですから、被害者の心の傷が完全に癒えるには時間がかかるであろうことが想像できます。被害者へのケアの一環として異動など、環境の変化が明るさを取り戻すものだ、と人事担当の知人から聞いたことはありますが、セクハラ被害に遭って休職したり通院のため欠勤しても、それを会社がカバーしたり、翌年の年休付与や人事考課にきちんと配慮する会社はまずないだろうな、と思います。

 すぐそばにセクハラ被害者やセクハラ担当人事部員がいるそばで、被害者と同じ女性の人事マネージャーが「ノーワーク、ノーペイ」がポリシーですから、と叫んでいるのを聞くと、当事者や男性の問題だけでは済ませてはいけない構図が見えてきます。セクハラは、会社の問題なのです。

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コメント (3)

ミッキー:

役職に拘わらず、男性に目をかけられた女性の最後はどっちに転んでもろくなことはないですよね。

アプローチが成功して不倫が成就してもその顛末は察しがつきますし、アプローチを断ればその日から嫌がらせが始まります。人事に訴えたところで、加害者の役職や立場が優先され、かえって自分の立場が危うくなることも少なからず。たとえ正義が貫かれたとしても何となく居心地が悪くなり、結局自分も退社せざるを得ないことが多いでしょう。

同様の不快体験は、随行出張中の通訳にも起こりえます。常連客だったりすると、その顧客を失うことへの不安もあり、対処に苦労します。「こんな客はこちらから願い下げだ!」と啖呵を切れるようになるには結構の年季が必要。

目をかけられるのは嬉しいけれど、結局は泣き寝入りにつながるという悲しいことです。

オンナをものにしたい方々は、キャバクラとかコールガールとかぜひとも玄人筋をご利用いただきたいものです。

Yoshi:

 ミッキーさん、コメントありがとうございます。確かにフリーの方や出張の多い女性通訳者にはそういうケースもあることが想像できます。あってはならないことですが。

 ただ、こういう話題になると、本当に通訳者って基本的な人権レベルで横のつながりもサポート体制もない個人事業者でしかないんだなぁ、と思います。今更ながら。

 女性の人権やセクハラなどに関する国際会議などを通訳しても、だったら広い意味で同僚のことも考えなければ、とならないところが善くも悪くも通訳者。ベテラン通訳者は色々やかましいことは言いますが、そういったことについては無頓着で関わりたくない、で本当に「一流の人間」なのでしょうか。某関西人ベテラン通訳者は「一流」を繰り返しますが、自分の生徒や後輩には言うクセに自分は何してはるの?と思います。しかも、日本国内で開催された某国際競技大会を受注し、派遣した通訳者が中東などから来た役員に密室でセクハラされたこともある、などと説明するエージェントの営業マンと同行しておいて!

 昔、勤めていた組織には、英語能力も通訳能力も超イマイチで、イメージとメークする能力だけが長けている女性がいたのですが、スケベじじいの権力者と国際会議のために出張すると、会食の席などでじいさんの膝に手を置いたり、べったり。そういう関係まであったかどうかは分かりませんが、よくないことです。それこそ女性の敵なのですが、普通にオフィスに居る時は、極めて常識的なことを言う「才女」として知られていました。確かに「才」はある人だった。

ミッキー:

残念なことですが、組織(経営陣と人事)が加害者を厳しく罰する決意がない限り、この問題はなくならないです。フリーならその顧客を自分から縁切りするのが唯一の方法。組織ならよくて差し違え、大抵は被害者の泣き寝入り。最近はブログで実名で暴露という方法もあるかも。

エージェントが事前に通訳者に注意している、というのは聞いたことがないし、個人的にも経験はないですが、どこかでセミナーを開催するのも一つの方法かもしれないですね。

傍目にはどんなに醜く映っても、業務に支障がでない限り、見てみぬふりをするというのが大人の常識かもしれませんが。

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2008年06月18日 18:48に投稿されたエントリーのページです。

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