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カツオ君みたいな同僚

 通訳をしているとよく「おいしいもの食べられていいね」とコメントされます。要するにランチミーティング、会食通訳など、お偉いさんに同行することも多いので自然と自腹では行こうとも思わない(思えない)レストランや料亭へも出かけます。しかし、仕事は仕事。確かに目の前においしいものがあれば食べますが、通訳として同行している以上、神経と五感はフル稼働。食べながら飲みながら、次は誰がどういうことを言うのだろうか、と考えながら咀嚼時間の短いものを選んだりなどなど。若い頃はラッキー!と思えたものですが、今では単に仕事。代わりにやりたい人が代わっていただいてかまいません状態ですが、上の人が指名したら行かざるをえません。ポイント2倍だからHMVでCD買おう、と思っている水曜日に限ってそんな指名を受けたりします。また、前回どの役員がいいと言ってた銀座の店は何?と役員秘書から訊かれてもいいように覚えておいたりと、気遣いがつきまとうのです。

 「サザエさん」を見ているとカツオ君がよく「おとうさんやマスオさんはいいよな。仕事でおいしいものが食べられて」と発言していますが、カツオ君やワカメちゃんくらいの子供さんがいる同僚までが同じことを言ってきます。自由に自分のために使える自分の時間を持てる喜びや価値を教える親になればいいのに、と心の中でツッコミを入れてます。食事する場所や値段がいい人がそれだけで幸せなのか、親ならもっと考えて欲しい。「めざましテレビ」で紹介されたレストランで食事するのが夢とかいう上京したての大学生じゃないんだから。とても長時間労働や過労死が問題となっている日本の国民とは思えません。夜の会食通訳だって、裏返せば単にオーバータイム。長時間労働しているだけで、全然おいしくなんかありません。会社のためになっている、という認識があるから笑って喜んでしているだけで、おいしい店や高級なものを食しているから喜んでいるのではありません。

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コメント (4)

ミッキー:

私には同僚がいないので類似のコメントを受けることはないのですが、今度言われたら「ホントに役得。他の人に申し訳ないよ。今度こんな場面があったら君のために何かテイクアウト買ってきてあげようか?」というコメントはどうかしら?

ひがむ人には何を言ってもひがまれる。嫌味を言う人には、反論せずに、「本当にその通り」とかわすのが一番かなと思ってます。

Yoshi:

反論せずにむしろ肯定する、ってのも作戦かもしれませんが、そこで話が終わるほど大人ばかりではなく、「会食でおいしいもの食べられていい、って自慢してましたよ」とか社内メールで送信しまくられたり、「普段おいしいところへ言ってるから」という枕詞が定着したりとか、会社って橋田壽賀子ドラマみたいな側面がありまくりですから、普段は無視してます。

でも、以前とある海外出張で地元通貨がハードカレンシーじゃないない国へ行った際、おえらいさんのお供なのでチップとかの問題もあるし、いくら両替して行こうか、と真剣に悩んだことがありました。帰国して円に再両替できる通貨でもないから余計に。そうしたら「あなた高給取りなんだから10万(円)20万(円)問題ないでしょう」と他人の経済状況まで踏み込まれた時はさすがにむっとしてメールで猛烈に抗議しました。さすがに反省したらしくもう言わなくなりましたが、通訳で正社員で若くないからって高給取りだと思われても困ります。思うのは勝手だけど、それを口にするのはOUTなんだよ、って社員教育して欲しい。男が女性のルックスに基づいて男性関係や交遊関係を想像して言葉にしていけないんだったら、女性も職種やグレードや年齢から年収を想像して言葉にして欲しくない。公務員や公共性の高い事業に従事してない限り、給与や収入は非公開で何の問題もないはず。仮に高給取りだったとしても若い頃は経験年数が少ないという理由だけで薄給で通訳した年数が長ーいので罪悪感はありませんが。

ミッキー:

なるほど。社内通訳というのは難しいのですね。私も同じような経験をしたことがあります。そういう場合は無視するしかないですよね。

かろうじてできることといえば、頻繁に差し入れすることかなぁ。同じ社員同士でそこまですることないと思うかもしれないけれど、敵と敵対しないというのも一つの作戦ですね。

PS:コメントでも漢字変換間違いがあるとまたなんだかんだ言う人が出てくるかもしれませんよ。

Yoshi:

差し入れもしますし、差し入れさせるように仕向けたり、そこらへんは大丈夫です。

変換ミス、気付きませんでした。誰もコメントしてないし、そんなアクセスもないだろうし。そう、つまらないツッコミする人はどこにもいますね。明らかな誰でもわかるような変換ミスを指摘して嫌味のひとつでも言わないと前に進めない人は哀れな人としか思ってないので気にもしませんが、ご忠告ありがとうございます。

メールマナーとか、つまらないアドバイスをする人に限って「これ英語でどう言うんですか?」とかメールしてくるんですよね。専門家扱いしているようで、実は「便利屋」扱いしていない浅はかさがバレバレの場合は無視。実は男性に優しくされたことが無いだけ、という感じの感謝できない歪んだ性格の女性にも差し入れは差し控え。社内での人間関係、おどろおどろしい部分もありますから、「私はフリーでしかやっていけない」という通訳者の気持ちもよーく分かります。

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2008年05月04日 14:01に投稿されたエントリーのページです。

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