« 2008年04月 | メイン | 2008年06月 »

2008年05月 アーカイブ

2008年05月04日

通訳者にも参考となる名著「ダイアローグ」

 先日、外資系企業で働く外国人と話をする機会があり、通訳者として質問され、困ったことがありました。通訳技能や発音が悪いとは違う次元で、通訳された発言がすーっと入ってくる通訳者とそうでない人がいるのでなんとかアドバイスできませんかね?といった内容でした。

 確かに落語を聴いていても、前座さんなど若い人の落語はなかなか入ってこないので、その外国人の言っていることはよく分かるのですが、説明に困りました。確かに通訳者としてはキャリアも経験もあるし、ものすごく正確な訳を出すのにイマイチな人もいます。自分の場合、あまりスクールも行ってませんし、誰それ派でもなく社内通訳者としてとにかくメッセージを伝えることを主眼としているのでクレームが出たこともないですし、議事進行に影響を出すようなこともないのですが、確かにスキルとは別の次元で、分かりやすい通訳とそうでないものとに分かれることは確かです。

 その質問を受けて考えた直後に、偶然ですが、デヴィッド・ボーム著「ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ」を読みました。そういった疑問に答える内容でした。通訳業をしていると、考えたことのあるような内容が網羅されていました。例えば、どうしてプロジェクトはうまく行く時とそうでない時があるのか。外国人側と日本人側とで、どうして話が分かり合えていないんだろうか。そういった第三者的な観察から生まれた疑問への回答もあります。

続きを読む "通訳者にも参考となる名著「ダイアローグ」" »

カツオ君みたいな同僚

 通訳をしているとよく「おいしいもの食べられていいね」とコメントされます。要するにランチミーティング、会食通訳など、お偉いさんに同行することも多いので自然と自腹では行こうとも思わない(思えない)レストランや料亭へも出かけます。しかし、仕事は仕事。確かに目の前においしいものがあれば食べますが、通訳として同行している以上、神経と五感はフル稼働。食べながら飲みながら、次は誰がどういうことを言うのだろうか、と考えながら咀嚼時間の短いものを選んだりなどなど。若い頃はラッキー!と思えたものですが、今では単に仕事。代わりにやりたい人が代わっていただいてかまいません状態ですが、上の人が指名したら行かざるをえません。ポイント2倍だからHMVでCD買おう、と思っている水曜日に限ってそんな指名を受けたりします。また、前回どの役員がいいと言ってた銀座の店は何?と役員秘書から訊かれてもいいように覚えておいたりと、気遣いがつきまとうのです。

 「サザエさん」を見ているとカツオ君がよく「おとうさんやマスオさんはいいよな。仕事でおいしいものが食べられて」と発言していますが、カツオ君やワカメちゃんくらいの子供さんがいる同僚までが同じことを言ってきます。自由に自分のために使える自分の時間を持てる喜びや価値を教える親になればいいのに、と心の中でツッコミを入れてます。食事する場所や値段がいい人がそれだけで幸せなのか、親ならもっと考えて欲しい。「めざましテレビ」で紹介されたレストランで食事するのが夢とかいう上京したての大学生じゃないんだから。とても長時間労働や過労死が問題となっている日本の国民とは思えません。夜の会食通訳だって、裏返せば単にオーバータイム。長時間労働しているだけで、全然おいしくなんかありません。会社のためになっている、という認識があるから笑って喜んでしているだけで、おいしい店や高級なものを食しているから喜んでいるのではありません。

About 2008年05月

2008年05月にブログ「An Interpreter's Blog (通訳雑記帳)」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2008年04月です。

次のアーカイブは2008年06月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。