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人の名前を覚えない通訳者

 フリー通訳者のパフォーマンスを聞いていて気になることのひとつに、固有名詞、特に人名をすっ飛ばすことがあります。

 要は、○○さん、と発言されているにもかかわらずその名前を訳に入れないフリー通訳者が多いのです。

 社内の会議にフリーの通訳者を呼ぶ場合、確かに担当者が出席者などの名前をきちんと伝えておく必要がありますが、だからといって、自信が持てないからといって、スキップするのは通訳技能的にはOUTだと思うのです。訳せなくても聞いたままカタカナのままでも出す、というのが原則です。でも、人名や知らない名詞をすっ飛ばす行為が、少なくとも私が知る限りにおいてはフリー通訳者に蔓延していると言ってもいいでしょう。

 フリー通訳者の勘違いのひとつに、自分は通訳のプロであってそれ以外のことは言われない/提供されない限り、知らなくてもいいんだ、という思い込みがあるように思えてなりません。(違うかもしれませんが、結果的にはそうなっている、とも言えるでしょう。)以前、会議室でフリー通訳者と仕事をした際、テーブルがこうで、どこに誰が座っていて役職はこれこれ、という図をその場で書いてあげたのに、通訳を始めるとその図を活用しないで人名をスキップしたり間違ったりでひどいなぁ、と思ったことがあります。

 最近、読んだ通訳に関する本に例文で、いくら原文が he だからといって国家元首を「彼」と日本語で訳してはならない、とありましたが、社内のミーティング通訳でも可能な限り役職名や「〜さん」と具体的なアウトプットとされた方が親切で分かりやすいのです。通訳の技術的なこともありますが、そういった気遣いができているかできてないかで、フリー通訳者の印象や次回以降も指名されるかされないかの分かれ道になることもあります。

 いきなり、場合によっては半日だけ外部者として企業の会議に参加して、内容についていくだけでも大変なのは分かりますし、同情もします。しかし、会議の参加者全員がホームページに経営陣として氏名と役職名が公開されていて、しかも発注者から用語集の提供と「ホームページをチェックしてください」との指示が出ていたのに、明らかにそういったことを全く、もしくはほとんどしてこない通訳者に対して、発注する企業側でいったいどういう対応を現場でとればよいのでしょうか?こういった場合、企業の側も一時的にそういった不良通訳者の囚われの身になるのです。

 人名が分からない、聞き取りづらいと訳しずらいというのは通訳者としてよく分かります。しかし、だからこそ用語集やホームページをお読みくださいとエージェントには何度もお伝えしていますが、誰が来ても同じような結果になってしまいます。いくらインターネットの時代だからとはいえ、インターネットを活用されている方をお願いします、ともエージェントには伝えているのに。

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2008年01月31日 17:52に投稿されたエントリーのページです。

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